研究成果

学会

媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Journal of Materials Chemistry B

著者:M. Fukuhara, H. Takehara, K. Barthelmes, B. Kersch-Hunt, J. E. Gardiner, Y. Kanda, A. Matsumoto, T. D. James and T. Ichiki

サブナノリットル体積のボロン酸蛍光ハイドロゲルが埋め込まれた光学マイクロニードルデバイスの開発

要約:

間質液(ISF)の診断への有用性は広く研究されているものの、その採取と検知は依然として課題である。マイクロニードルデバイスは、微小量のISFの採取や、体内のISF中の生体分子をセンシングする低侵襲な手法として有望なアプローチである。しかし、従来の酵素測定法は標的分子を消費するため、特に微小量のサンプルではセンシングの信頼性が損なわれる可能性がある。この課題を克服するため、我々は微小なISFサンプル中で蛍光測定ベースの非消耗型分子センシングを実現する光学マイクロニードルデバイスを開発した。光学マイクロニードルは、先端の微小蛍光ハイドロゲルブロックでセンサー化した。このハイドロゲルブロックは直径100 µm、長さ100 µmで、総体積は0.79 nLであった。アモルファスポリ-L-乳酸(PLLA)製のマイクロニードルは高アスペクト比形状(底部直径500 µm、先端直径200 µm、長さ2 mm)を有し、網状層の血管叢付近のISFに到達可能である。蛍光ハイドロゲルは、D-グルコースと可逆的に結合するボロン酸でセンサー化した。光学マイクロニードルを用いたD-グルコースセンシングを実施したところ、実際のD-グルコース濃度からの測定誤差の平均値は、6.1~37.5 mMの範囲で5.6%と算出された。したがって、開発したマイクロニードルデバイスがISF測定に有用であることが確認された。


https://doi.org/10.1039/D5TB00385G

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