媒体の種類:学術論文
掲載紙/掲載誌/掲載メディア:Journal of Emergency Nursing
著者:Y. Matsuda and E. Aoki
救急看護における重大事象ストレスに対する労働衛生介入:意思決定志向のスコーピング・レビュー
本スコーピングレビューでは、救急看護における重大事象ストレス(CIS)に対処するための労働衛生介入について、特に介入の実施時期と重点(事象前および事象後)に注目して検討し、現在の実践パターンを明らかにするとともに、労働衛生上の意思決定における優先分野を特定す ることを目的とした。
本レビューは、PRISMA-ScRガイドラインに従って報告された。2015年1月から2025年4月までに発表された研究を対象に、PubMed、CINAHL、およびGoogle Scholarで文献検索を行った。救急、外傷、または集中治療の現場で働く看護師を対象としたCISに対する介入を検証した、査読済みの英語論文を対象とした。研究の特徴、介入の時期、内容、および転帰に関するデータを抽出し、記述的に統合した。
7件の研究が選定基準を満たした。介入の多くは事後対応戦略に焦点を当てており、予防的アプローチを研究したものは1件のみであった。3件の研究には「重大事象ストレス管理(CISM)」の要素が含まれていたが、これらは包括的なシステムというよりは、部分的あるいは事後対応的な解決策として用いられていた。「重大事象ストレス・デブリーフィング(CISD)」は最も一般的な事後対応手法であり、孤立感を軽減し、感情の処理を促進すると報告されているが、その有効性については一貫性がなかった。定量的エビデンスは乏しく、結果のほとんどは定性的であった。報告された効果には、対処能力の向上、ウェルビーイングの向上、およびレジリエンスの向上が含まれていた。
本レビューは、CISが予測可能な職業上のリスクであるにもかかわらず、救急看護における現在のCISへのアプローチが主に事後対応的であることを示している。予防的介入や組織レベルでの介入はほとんど確認されず、既存の労働衛生の実践における不均衡が浮き彫りになった。エビデンスの基盤は依然として限定的であるが、これらの知見は、特定の介入を推奨するというよりは、将来の労働衛生計画や研究における優先分野を明らかにするのに役立つ。
http://dpi.org/10.1016/j.jen.2026.09.006