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コラム

看護工学が拓く安心社会

要約:

少子高齢化が進む中、看護の担い手不足が深刻化している。川崎市の高齢化率は約21%と全国平均より低いものの、人口10万人あたりの看護師数は全国最低レベルにある。若い看護師を大幅に増やすことが難しい今、離職した「潜在看護師」の復職支援に加え、科学技術によってケアの需要と供給のバランスを改善することが求められている。

その一つが、看護と工学を融合した「看護工学」だ。看護師がPC入力などの間接業務に費やす時間を減らし、療養者に寄り添い、心身の状態を観察するという看護本来の役割に専念できる環境をつくる。一方、老化細胞の検出・除去や、加齢性疾患に対するmRNA医薬の開発など「老化制御」の研究は、健康寿命を延ばし、ケアを必要とする人を減らすことを目指している。

ただし、科学技術の進歩によって「安全」が確保されても、それが必ずしも人の「安心」につながるとは限らない。看護には、専門的な観察に基づき、療養者の思いをくみ取り、最適なケアを提供する役割がある。明治時代の大関和が実践した献身的な看護の精神は、現代にも通じる。AIをはじめとする先端技術と人間の看護師が互いの強みを生かし、ケアの質を高めることが、これからの社会に求められている。

(10/10付け神奈川新聞朝刊より)

https://iconm.kawasaki-net.ne.jp/pdf/iconm_column_other7.pdf

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